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じんましん(蕁麻疹)

蕁麻疹はアレルギー疾患です。
皮膚科の病気ではありません!

ある日突然、強烈なかゆみとともに現れる蕁麻疹。子どもから大人まで悩まされる人は多いのではないでしょうか。時間がたつと次第におさまることから、病院にいくまでもないと自己判断する方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、蕁麻疹のメカニズムを正しく理解していないと悪化や慢性化してしまう恐れがあります。ここでは蕁麻疹の原因や仕組みについて分かりやすく解説していきます。
「蕁麻疹」という漢字の語源は、日本に自生しているイラクサの名前「蕁麻(じんま)」からきています。この植物は、茎や葉に細かい棘を持ち、基部にヒスタミンや蟻酸(ぎさん)が含まれた嚢(のう)がありますが、棘に触るとこの嚢が破れて皮膚につき、痛みやかゆみを引き起こします。このことから、イラクサが引き起こす発疹を蕁麻疹としたのがはじまりといわれています。

じんましんと湿疹の違い

蕁麻疹と湿疹は、どちらも赤みやかゆみをともなった症状がでることから、混同されやすいですが、似て非なるものです。湿疹の場合は、特定の場所の皮膚表面に赤いぽつぽつした水疱ができ、時間とともに悪化していく傾向があります。
これに対して蕁麻疹は、突然、皮膚が赤く盛り上がる膨疹(ぼうしん)がでて、24時間以内におさまるケースが多いのが特徴です。また、局所的にでる湿疹と違い、蕁麻疹は全身に症状が及ぶこともあります。
蕁麻疹と湿疹では、治療に使う薬も異なるため、正しく見極めることが肝心です。

じんましんの症状は?

① 蚊に刺されたような、赤みをもった膨らみ(膨疹(ぼうしん))が現れます。膨疹の大きさはさまざまで、膨疹同士がつながり、地図のように広がることもあります。

② 一つひとつの膨疹は、通常は24時間以内に、跡を残さず消えてしまいます。

強いかゆみに加え、チクチクする、焼けるような感じがすることもあります。

④ じんましんが現れる部位はさまざまで、顔を含め全身のどの部位にも起こりえます。

⑤ 慢性じんましんでは、夕方~夜間にかけて症状が出たり悪化しやすいことが多く、だいたい決まった時間に出る人もいます。

じんましんのメカニズム

じんましん

じんましんの主な原因

蕁麻疹の原因は、「アレルギー性」によるものと「非アレルギー性」によるものの2つに大別されます。

<じんましんの原因・誘因の例>

食物 魚介類(サバ、エビ、カニなど)、卵・乳製品(鶏卵、牛乳、チーズなど)、肉類(豚肉、牛肉、鶏肉など)、穀類・野菜(大豆、小麦、蕎麦など)
食品添加物 人工色素、防腐剤(パラベンなど)
薬剤 薬剤抗生物質、非ステロイド性消炎鎮痛薬(アスピリンなど)、せき止めなど
植物・昆虫 イラクサ、ゴム、ハチ など(触れる・刺される)
感染症 寄生虫、真菌(カビ類)、細菌、ウイルス
物理的な刺激 下着などによる摩擦や圧迫、こすれ、寒冷・温熱刺激、日光など
その他 運動や発汗(特定の食品や体質などと組み合わさって原因となる)
内臓・全身の病気(甲状腺疾患、ウイルス性肝炎、膠原病など)疲労・ストレス(身体的・精神的なもの)

じんましんの検査

View39検査

このように、じんましんはさまざまな原因で起きるので、全てを調べることはできませんが、まずじんましんが起きる数日前からお薬を飲んでいないか?をご確認ください。
また、じんましんが起きる前に食べたものをチェックしましょう。
じんましんが起きた場合は、アレルゲン検査をお薦めしますが、原因をひとつひとつ探ることはむずかしいので、一度に喘息・鼻炎・アトピー系、花粉系、食餌系アレルゲンなどの主要39項目の検査ができるVIEW39がお薦めです。
健康保険で認められるアレルギー検査項目は1か月あたり13項目と決められていますが、この検査は、39項目を13項目分の金額の約4千円で受けることができます。

39項目の内容
≪喘息・アトピー系アレルゲン11項目≫

コナヒョウダニ、ハウスダスト1、ネコのフケ、イヌのフケ、ゴキブリ、蛾、マラセチア、カンジダ、アルテルナリア、アスペルギルス、ラテックス
≪花粉・吸入系アレルゲン8項目≫
カモガヤ、ブタクサ混合物、オオアワガエリ、ヨモギ、スギ、ヒノキ、ハンノキ、シラカンバ
≪食餌系アレルゲン20項目≫
ソバ、小麦、ピーナッツ、大豆、米、ゴマ、リンゴ、キウイ、バナナ、マグロ、サバ、サケ、エビ、カニ、牛肉、豚肉、鶏肉、ミルク、卵白、オボムコイド です。
※オボムコイド:卵アレルギーを起こす成分の1つで、熱や消化酵素の影響では、アレルゲン活性(アレルギーを起こす性質)を失わない耐熱性卵蛋白のことです。

慢性または再発性・重症じんましんの場合は、以下と追加検査する場合があります。
① 甲状腺刺激ホルモン(TSH)測定
② TSH(甲状腺刺激ホルモン)値異常の場合は甲状腺自己抗体検査
③ 膠原病(特にシェーグレン症候群)など自己免疫疾患の鑑別検査
④ 寒冷蕁麻疹に対してクリオグロブリン力価測定

予防方法

特定の食品で起こる場合は、その食品を避けるようにします。摩擦や圧迫などの刺激で繰り返し出る場合にも、それを摩擦や圧迫などの刺激を避けるようにします。

患部を冷やすことも有効ですが寒冷刺激でじんましんが出る場合には、悪化することがあるので冷やさないでください)。

治療方法

このようにじんましんは、何等かのアレルギー作用により一時的に皮膚が盛り上がる病気ですので、湿疹のような皮膚科の病気ではありませんので、基本的に塗り薬などの外用薬は不要です。

① 抗アレルギー剤

② じんましん自体の治療には、抗ヒスタミン薬抗アレルギー薬の内服が有効です。

じんましん以外に、意識の低下や呼吸困難など複数の症状が現れた場合には、アナフィラキシーショックと呼ばれる重篤なショック症状の可能性があるため、早急に受診が必要です。

抗アレルギー薬についてはここをご覧ください。

③ ヒスタミン加人免疫グロブリン注射 非特異的根治治療として効果的な新しい治療法

じんましんなど、体がアレルギー反応を起こしているときは、体内で「ヒスタミン」という物質が作られています。
体がアレルギー物質に過剰な反応をしないためには、このヒスタミンに対する抗体をつくることが有効です。このためには「ヒスタミン加人免疫グロブリン」を定期的に皮下注射することがとても有効と言われています。
しかもヒスタミン加人免疫グロブリン注射は、一時的な効果だけでなく減感作療法として恒常的にアレルギー体質を改善していく効果が期待できます。重症または再発性、慢性的なじんましんでお悩みの方には非常に有効な治療法です。

ヒスタミン加人免疫グロブリン+ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液注射
ヒスタミン加人免疫グロブリン

「ヒスタミン加人免疫グロブリン注射」は、非特異的減感作療法と呼ばれ、特定のアレルギー原因物質に対して感受性を低下させる”特異的減感作療法”とは異なり、様々なアレルギー原因物質に対応し、アレルギー体質を免疫レベルから改善する根本治療薬です。

また、ステロイド注射に比べてリスク・副作用が少ないことが特徴です。このヒスタミン加人免疫グロブリンは昭和42年に発売されて以来、一度も医療事故や感染症を起こしたことがありません。稀に一時的気分不快・血管痛などのリスク・副作用の可能性があります。

花粉症の方は、週に2回・原則6回1クールの注射を行うことを基本とし、1クールで3~4か月間全てのアレルギー反応を大幅に抑えることが期待できます。

1クールの注射スケジュール

なお、じんましんや通年のアレルギー性鼻炎・喘息・アトピー性皮膚炎の方は、月1~4回の継続注射が有効です。
このヒスタミン加人免疫グロブリンにワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液を併用することで相乗効果が得られるため、当院では併用をお薦めしています。

ヒスタミン加人免疫グロブリンの有効性について

鼻アレルギーに対する臨床有効率は49%です。鼻閉の改善効果は少ないものの、くしゃみ及び鼻汁については明らかな改善が見られています。
抗ヒスタミン剤(抗アレルギー薬)で改善しない蕁麻疹についても、96%で改善が見られ、そのうち約半分の方が注射5回以内、8割の方が10回以内に効果が見られています。
通年性アレルギー性鼻炎及び慢性蕁麻疹についても、6回の投与で80%以上の患者さまで症状が改善されています。

そのため、当院では、まず1クール6回の注射をお薦めしています。(1回当たり3割負担の方で約450円)

ヒスタミン加人免疫グロブリン注射の注意点(メーカー添付文書その他より)。

主成分のヒト免疫グロブリンは国内献血由来の血液を原料とする、特定生物由来製品(生物製剤)とされますが、その製造過程では極めて高い安全対策が施され、細菌・ウイルスのほか理論上全ての微生物の排除をしています。そのため、1967年に発売以来、ヒスタミン加人免疫グロブリン注射による感染症の報告はありません。
「ヒスタミン加人免疫グロブリン注射」に限らずヒト組織や血液を原料とした製品を使用した方は、献血を控えることが求められています。
生ワクチン(麻疹・風疹・おたふくかぜ・水痘ワクチンなど)の免疫獲得に対しても影響を与える可能性があります。従ってワクチン接種後は最低2週間、ヒスタミン加人免疫グロブリン注射の後、生ワクチンを接種する場合は最低3~4ヶ月空ける必要があります。
また、効果には個人差がありますので、まず1クールの期間、ご様子を見て頂くことをお薦めしています。

ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液皮下注射

ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液注射は、ワクシニアウイルスという安全なウイルスをウサギの皮膚に注射し、炎症を生じた皮膚組織から抽出分離した非タンパク性の天然活性物質を含有する注射液です。即ち、化学合成物質ではないという安心感があります。この天然抽出物質は下行性疼痛抑制系という神経機構を活性化したり、脳の視床部の血流を増加する事によって疼痛及び痒みを軽減すると言われています。

花粉症によるくしゃみや鼻水、眼球の痒みなどの幅広い症状に効果があります。
また、ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液注射は、花粉症などのアレルギーだけではなく、湿疹・蕁麻疹をはじめとする各種の皮膚疾患による掻痒感にも効果があります。
効果には、個人差があり、また体調により効果が一定しないこともあり、補助療法として位置づけられています。