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アレルギー薬お役立ち事典(内服・外用治療)

むこうがおかクリニック > アレルギー薬お役立ち事典

つらい花粉症上に効くお薬は何?
効いては欲しいけど、眠くなっても困る!
効果があって眠くなくてお財布にやさしいお薬はないの?

花粉症

このようなお悩みにお答えするべく、自身がアレルギーに悩む院長の私が『抗アレルギー剤お役立ち事典』を作ってみました。

花粉症はアレルギーの原因物質であるヒスタミンの働きによりくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、など多くの症状が引き起こされます。抗アレルギー薬はこのヒスタミンの発生と放出を抑えることにより症状を軽くし、また症状が出始めるのを遅らせる効果があります。

治療の主体は、発症後治療から飛散前予防投与へ。

症状が出る前や、症状が軽い間に花粉症のお薬を開始する予防投与には4つのメリットがあります。
1. 症状が出る時期を遅らせる
2. 症状が軽くすむ
3. 花粉飛散量が多くなった場合でも、症状をコントロールしやすくなる
4. 症状が速く終わる

飛散前予防投与の効果

このように、最近では、花粉症の治療の考え方は、薬の治療投与から予防投与へ、大きく変わりつつあります。花粉症

花粉の飛び始める2週間くらい前から飲み始め、シーズン中は切らさずのみ続けるようにします。それほど強力な薬ではありませんが、リスク・副作用の少ない薬が多くほぼシーズン中は飲み続けることが出来ますし、症状の軽い方であれば抗アレルギー薬のみでも症状が軽くなることが十分期待できます。

花粉症治療の比較
治療期間 治療頻度 メリット デメリット 費用・備考
内服療法
花粉飛散前1か月からシーズン中 毎日。
1~2回内服。
手軽。効果が出るまで10~14日ほど。 毎年の繰り返し。 自己負担で2,500円/月程度。
非特異的減感作療法
(ヒスタミン加人免疫グロブリン
ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液皮下注射
)


(詳細はクリック)
シーズン前が望ましいが、途中からも可。 週1~2回。

6回1クールが基本。
即効性あり。
効果は、各療法の中で一番早い。1シーズン効果が持続。
国内献血由来の血液を原料とする、特定生物由来製品(生物製剤)に分類されますが、昭和42年以来、事故報告は皆無です。 自己負担500円/回。

花粉症・アトピー・喘息その他アレルギー全般に有効。
減感作療法
(皮下注射)



(詳細はクリック)
シーズン前が望ましいが、途中からも可。
何を飲んでも試しても改善しない重症の方に
月2回。
シーズン中のみも可。
2~数日で効果の発現も。
飲み薬は、不要となることが多い。
喘息・アレルギー性鼻炎にも有効。
月1~2回の皮下注射。副反応として注射部位の腫脹など。稀にアナフィラキシーショック。 3,000円/月。
月1回の注射で3~5年で終了。
50年前より世界で効果と安全性が評価。
減感作療法
(舌下療法)



(詳細はクリック)
前年11月以前より開始。 効果が出るまで最低2年間継続。5年の治療が推奨されている。
シーズン以外も毎日2分の儀式。
「スギ」にしか効かない。効果のある人は50%。
飲み薬の併用が必要な可能性が残る。稀にショック。
4,000円/月。
最低2年で約9万円。
効果?
安全性?
舌下後、2時間は運動・入浴の禁止。
後鼻神経切断術
(手術)
シーズン前。 5年毎に再手術が必要であることが多い。 7~10日の入院。5年程度での再発が多い。 20万円。
レーザー治療 シーズン前。 1~2回。 1時間程度。 ほぼ毎年行う必要あり。内服薬の併用が必要。 1万円。
ステロイド注射 1回。 毎年。 シーズンは殆ど症状は出ないが… リスク・副作用が大きく耳鼻科学界からは行わないよう警告あり。 自費。
抗アレルギー薬の効果とリスク・副作用(眠気)は比例しない

抗ヒスタミン薬と同様に、花粉症に強く効く抗アレルギー薬は、眠気などのリスク・副作用も強いと考えられてきました。
最近の研究では、効果(強さ)とリスク・副作用(眠気)は比例しないことが分かってきています。
抗アレルギー内服薬のリスク・副作用(眠気)の強さには、脳内ヒスタミンのブロック率が関係しています。
なお、抗アレルギー薬には眠気以外に肝機能障害と薬疹のリスク・副作用もあります。

抗アレルギー薬の眠気の強さの比較(脳内ヒスタミンのブロック率)
アレルギー剤眠気比較表

脳内ヒスタミンブロック率の以下の3グループに分類されます。
① 鎮静性(眠気++):50%以上
② 軽度鎮静性(眠気+):20%以上50%未満
③ 非鎮静性(眠気±):20%未満

このように、抗アレルギー薬は、薬の有効成分そのものによって、脳内への入りやすさに差があり、その結果脳内ヒスタミンをブロックする程度に違いがあります。
脳内ヒスタミンをブロックする程度が低い抗アレルギー薬は、眠くならないのです。

リスク・副作用(眠気)が少ない抗アレルギー薬は、フェキソフェナジン塩酸塩、エピナスチン塩酸塩、セチリジン塩酸塩、エバスチン、ロラタジン、オロパタジン塩酸塩です。

効果と眠気の強さの早見表です。

主要抗アレルギー剤早見表
新規発売抗アレルギー剤について

1. ビラスチン・デスロラタジン
ビラスチンとデスロラタジンは、平成28年11月に抗アレルギー剤として発売され、アレルギー性鼻炎や蕁麻疹、皮膚疾患によるかゆみを抑える効果があります。
ビラスチンはすでに販売されているセチリジン塩酸塩と同等以上の抗ヒスタミン効果を発揮できることがわかっています。セチリジン塩酸塩やその改良型のレボセチリジン塩酸塩は抗アレルギー薬として強い効果を持っていますがどうしても眠気を起こしてしまうことがあります。ですが、ビラスチンは眠気を引き起こす頻度が非常に少ないという特徴があります。
ビラスチンの服用方法は「1回20mg(1錠)を1日1回空腹時に経口投与する。」となっています。
ビラスチン®は食事と一緒に服用することで効果が大きく下がることがわかっています。
第二世代抗ヒスタミン薬で眠気が少ない薬というと、フェキソフェナジン、ロラタジンです。ビラスチンも眠気を起こしにくく、添付文書の運転に関する注意の記述も省かれています。

    備考
抗ヒスタミン作用の強さ ビラスチン>デスロラタジン ビラスチンはセチリジン塩酸塩同等
眠気の起こりにくさ ビラスチン≒デスロラタジン  
服用条件 ビラスチン<デスロラタジン ビラスチンは空腹時のみ
服用年齢制限 ビラスチン<デスロラタジン ビラスチン  15歳以上
デスロラタジン12歳以上
併用薬制限 ビラスチン<デスロラタジン ビラスチンは、エリスロマイシンエチルコハク酸エステル、
ジルチアゼム塩酸塩併用で増強
30日分の自己負担価格 ビラスチン<デスロラタジン ビラスチン    713円
デスロラタジン  625円

2.ルパタジンフマル酸塩錠
ルパタジンフマル酸塩錠は、平成29年11月に発売されましたが、こちらは、従来の第二世代抗アレルギー剤としての抗ヒスタミン作用に加え、抗PAF(platelet activating factor:血小板活性化因子)作用を併せ持つ、新しい作用機序の経口アレルギー性疾患治療剤です。ヒスタミンはアレルギー反応を引き起こす化学伝達物質としてよく知られていますが、PAFも血管拡張や血管透過性の亢進、知覚神経刺激、白血球の活性化などを誘導することで、くしゃみや鼻水、鼻閉などの症状を引き起こすなど、アレルギー性疾患の病態に深く関与しています。ルパタジンフマル酸塩錠は、これら2つの化学伝達物質を抑える、DUAL作用(抗PAF作用と抗ヒスタミン作用)によって強力な効果を発揮し、くしゃみ・鼻閉も含めアレルギー性疾患における症状を抑制します。
ルパタジンフマル酸塩錠10mgとデスロラタジン錠5mgは化学構造式が類似しています。
ルパタジンフマル酸塩錠は1錠中にルパタジンを10mg含有しているのですが、体内に入ると一部はルパタジンのまま未変化体として存在します。よって体内に入ったルパタジンフマル酸塩錠は、ルパタジンとして「抗PAF作用+抗ヒスタミン作用」を有し、デスロラタジンとして「抗ヒスタミン作用」を発揮するということになります。
デスロラタジンは、効果発現にやや時間がかかりますが、定期服用での力価は高いので、頓服薬としてルパタジンフマル酸塩錠10mgを携帯し、通年性や季節性など長期間抗ヒスタミン剤を服用する場合は力価の高いデスロラタジン5mgを服用するのもいいかもしれません。
また、ルパタジンフマル酸塩錠は、倍量投与可能で、これは近年発売された抗アレルギー剤にはない特徴です。ルパタジンフマル酸塩錠の場合、10mg(1錠)にて効果不十分の場合は、20mg(2錠)まで増やしていいということです。特に重症の蕁麻疹を治療する際には、「薬剤の倍量処方ができるかどうか」が重要となってくるため、この点においてルパタジンフマル酸塩錠は効果的な使い方ができるかと思います。
さらに抗PAF作用は、エピナスチン塩酸塩同様、気管支喘息における気管支収縮作用を抑制するため気管支喘息を軽減します。そのため喘息発作に追加する抗ヒスタミン剤としては有用な薬剤の一つと考えられます。
ただしその反面、ルパタジンフマル酸塩錠には眠気のリスク・副作用が9.8%の方に発現するため、「本剤投与中の患者には自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないよう十分注意すること」という使用上の注意があります。デスロラタジン錠、ビラスチン錠にはそのようなリスク・副作用がないため、「医師としても処方しやすい」という有利な面もあります。(眠気が出た人の割合は、オロパタジン塩酸塩でも7.0%。一方ビラスチンは0.6%、デスロラタジンは1.0%と優秀。)

花粉症で使う抗アレルギー薬の効果と副作用(眠気)のまとめ

・花粉症の症状を抑えたい:オロパタジン塩酸塩、レボセチリジン塩酸塩
・眠くなりたくない:レボセチリジン塩酸塩、フェキソフェナジン塩酸塩、エピナスチン塩酸塩
・パフォーマンス優先:レボセチリジン塩酸塩、エピナスチン塩酸塩

お財布にやさしいお薬は!?

抗アレルギー薬は強い効果が期待できない代わりに目立ったリスク・副作用が出にくいという比較的安全な薬ですが、毎日飲み続ける薬としては薬価の高いものが多いというのが欠点です。特に新薬はどうしても薬価が高くなりがちで、エピナスチン塩酸塩、ロラタジン、レボセチリジン塩酸塩、などを飲み続けていると結構な金額になってしまいます。

さらに詳しい花粉症の薬の効果ランキング

花粉症の薬の主な成分は、アレルギー反応を起こすきっかけとなるヒスタミンの分泌を抑える抗ヒスタミン剤です。
抗ヒスタミン剤は発売された年代などから第1世代と第2世代に分けられます。
第1世代抗ヒスタミン剤は抗アレルギー成分の他にもさまざまな成分が組み合わされており即効性に優れていますが、リスク・副作用の眠気が併発しやすい特徴があります。
第2世代抗ヒスタミン剤は第1世代のリスク・副作用を抑えるように改善され、効果が緩やかに持続します。

抗ヒスタミン成分の処方薬の強さトップ3

1位:d-クロルフェニラミンマレイン酸塩
2位:オロパタジン塩酸塩
3位:セチリジン塩酸塩・レボセチリジン塩酸塩

d-クロルフェニラミンマレイン酸塩は、第1世代抗ヒスタミン剤です。
開発が古く使用実績が豊富なため、他の抗ヒスタミン剤に比べると安全性に優れているといえます。そのため、妊娠中や授乳中の方への処方に選択されることも多いです。
効果には即効性があり、効き目も大きいとされています。鼻水・くしゃみ・かゆみなどによく効きますが、鼻づまりにはあまり効果を発揮しません。眠気や口の渇きなどのリスク・副作用も出やすくなっています。

オロパタジン塩酸塩は、第2世代抗ヒスタミン剤です。鼻水・鼻づまりなどの鼻症状から、アレルギーからくる皮膚のかゆみ・湿疹の緩和に効果を発揮します。2012年にはジェネリック医薬品が発売され、薬価が下がり安価に手に入れることが可能になっています。

セチリジン塩酸塩の主成分は、「セチリジン塩酸塩」です。 一方、レボセチリジン塩酸塩の主成分は、「レボセチリジン塩酸塩」ですが、レボセチリジンは、セチリジンと同じ物質であり、「光学異性体」とよばれるものになります。
セチリジンには、鏡像関係にある「R体」と「S体」とよばれる2つの物質が存在しますが、「R体」は、「S体」と比べて、ヒスタミン受容体をブロックする作用が強く、ブロックし続ける時間が長いうえ、眠気の作用を起こしづらいなどの性質があります。その「R体」だけの物質をとりだしたお薬が、レボセチリジン塩酸塩になります。
レボセチリジン塩酸塩の方が①効果が持続する②リスク・副作用である眠気が出にくい③効果が持続する、とされレボセチリジン塩酸塩はセチリジン塩酸塩から眠気成分をとり除いたものになるため、効果は維持したままリスク・副作用が抑えられています。レボセチリジン塩酸塩は、セチリジン塩酸塩の半分の量で同じ効果を発揮し(レボセチリジン塩酸塩は通常5mgで服用、セチリジン塩酸塩は通常10mgで服用)、1日1回の服用で24時間、効果がしっかり持続します。
※光学異性体・・・光学異性体とは、成分の組成は同じで、鏡像関係にある対照的な立体構造をもつ化合物のことをいい、組成は同じですが、立体構造が違います。

花粉症の薬のリスク・副作用が少ないトップ3

1位:フェキソフェナジン塩酸塩・ロラタジン
3位:ベポタスチンベシル酸塩

リスク・副作用の眠気がでにくい第2世代抗ヒスタミン剤の中でも、特にリスク・副作用の眠気がでにくい研究データの報告がされているのが、フェキソフェナジン塩酸塩ロラタジンです。

交通機関従事者や機械の操作を行う方などには、リスク・副作用の眠気がでにくいフェキソフェナジン塩酸塩が主に選択されています。

予防としての服用

花粉の飛散ピーク時の症状を和らげるために、症状が出る前から花粉症の薬を服用する予防対策も有効になります。予防として服用する薬は主に第2世代抗ヒスタミン剤になります。

処方薬と同じ成分を使用している市販薬

処方薬に含まれている成分と同じものを使用した市販薬をご紹介します。含まれている量については、薬ごとに異なるため詳しくは添付文書をご確認ください。

【処方薬と市販薬の対応表】
処方薬名 及び 成分名 市販薬名
フェキソフェナジン塩酸塩 フェキソフェナジン塩酸塩FX
エバスチン エバスチンAL
エピナスチン塩酸塩 エピナスチン塩酸塩10および20
セチリジン塩酸塩 コンタック鼻炎Z、ストナリニZ

服用方法が定められている薬剤

お薬は、服用方法により効果が全く違います。
用法容量を守りましょう。

服用方法 薬剤名
就寝前 レボセチリジン塩酸塩 セチリジン塩酸塩
朝・就寝前 オロパタジン塩酸塩 ケトチフェンフマル酸塩 オキサトミド アゼラスチン塩酸塩 エメダスチンフマル酸塩
食後 ロラタジン(ロラタジンの服用方法に制限をなくしたのがデスロラタジン)
空腹時 フェキソフェナジン塩酸塩・塩酸プソイドエフェドリン配合(朝食前・就寝前の1日2回) ビラスチン
肝機能障害がある場合 ベポタスチンベシル酸塩(腎排泄型)
腎機能障害がある場合 エピナスチン塩酸塩 エバスチン ロラタジン

妊娠中の花粉症治療

妊娠15週までは極力薬物療法を避け、点眼・点鼻などの外用薬を中心とした方がよいでしょう。この期間にどうしても服用する場合は、第一世代抗ヒスタミン薬のd-クロルフェニラミンマレイン酸塩、クレマスチンフマル酸塩。
第一世代抗ヒスタミン薬については、海外で大規模な疫学的調査がおこなわれています。催奇形性を疑わせる疫学調査もあるものの、おおかた否定的な結果が大勢です。
それ以降は、オーストラリア基準A、FDA基準Bと最も安全とされるセチリジン塩酸塩、レボセチリジン塩酸塩、ロラタジンの使用経験が多く安全と考えられています。
薬の投与方法としては内服よりも点鼻の方が血中濃度が上がらず、よりお腹の赤ちゃんには安全といわれています。そのためオーストラリア基準でB3、FDA基準でCでありながらも、ベクロメタゾンプロピオン酸エステル、フルチカゾンプロピオン酸エステル、モメタゾンフランカルボン酸エステル水和物、フルチカゾンフランカルボン酸エステルなどのステロイド点鼻も使って良いものと思われます。
授乳中は、母乳移行率が0.03%と極めて少ないロラタジンがお薦めです。
花粉症やじん麻疹などアレルギー性の病気は若い女性にも多く、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬がしばしば処方されます。妊娠に気づかないで服用を続けてしまったとしても、後から思い悩むほどの危険性はありません。

実は安全!ステロイド点鼻薬(鼻噴霧用ステロイド薬)

ステロイドの鼻噴霧剤は、鼻アレルギー治療ガイドラインで重症例の第一選択剤として推奨されています。これは、ステロイドの強い抗炎症効果が得られる一方で、前述の全身的なリスク・副作用があまり問題にならないからです。特に最近になって新しく出てきた1日1回噴霧するタイプのステロイド剤は、微量で局所効果が強い一方で、体内に吸収されにくく、吸収されてもすぐに分解されるため全身性リスク・副作用がほとんど出ないとされています。
また、最近では、この鼻噴霧ステロイド剤を単独でスギ花粉症の初期療法として使用した場合の効果が検討され、内服薬による初期療法に勝るとも劣らない効果がみられたとされる報告が出ています。
初期療法:重症のスギ花粉症の方の場合、花粉が飛び始める前から薬剤を使い始める方がよいとされ、この花粉飛散前の治療のことを初期療法といいます。一般には、シーズン中に使うのと同じ薬剤を、症状が出始める前から内服し始める治療を行いますが、上述のように、最近では鼻噴霧ステロイド薬で代用する試みもなされています。
ただし、鼻噴霧用ステロイドにも、全くリスク・副作用がないわけではありません。
鼻噴霧用ステロイドのリスク・副作用として、軽度の鼻内刺激感、乾燥感、鼻灼熱感、鼻出血などがあります。
鼻噴霧用ステロイドの剤型としては、液体のものとパウダー状のものとの2種類があります。

抗ヒスタミン点眼薬とコンタクトについて

開封した目薬の最も大きな問題は、液の中で雑菌が繁殖することです。そのため、多くの点眼液では防腐剤である「ベンザルコニウム」が使用されています。

この「ベンザルコニウム」は通常、全く問題にはなりません。点眼液が眼と接触している時間は僅かだからです。

しかし、「ベンザルニコウム」はソフトコンタクトに吸着しやすい性質を持っています。そのため、レンズコンタクトレンズを装着したまま点眼すると、「ベンザルコニウム」はレンズに吸着し、長時間、角膜と「ベンザルコニウム」が接触し続けていると、角膜に害を及ぼすことが報告されています。
点眼時にはレンズを外し、その後10分の間隔を置いて装着し直すことで、この吸着は回避することができます。

薬剤名 及び 成分名 用法 ハード ソフト
ケトチフェンフマル酸塩 1日4回 ×
レボカバスチン 1日4回 ×
オロパタジン 1日4回 ×
エピナスチン 1日4回

表の〇・×はコンタクトレンズ装着中の点眼薬使用の可否を示しています。

『エピナスチン塩酸塩』点眼液は、他の点眼液に先駆けて「ベンザルコニウム」を使わない製剤ですので、ソフトコンタクトレンズを装着したままの点眼が可能になりました。
なお、ソフトコンタクトレンズでもワンデーのものであればハードと同じ扱いで大丈夫です。
1回使い切りタイプのクロモグリク酸点眼液UDも「ベンザルコニウム」を含まない点眼薬なので、ソフトコンタクトレンズを装着したままの点眼が可能と思われます。
当院では、重症の眼症状の方には、上記2剤の併用にて、ステロイド点眼薬と同等の効果を上げています。
尚、点眼液で緑内障や前立腺肥大禁忌のものはありません。

目薬薬効別分類

① 抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬)
オロパタジン塩酸塩、レボカバスチン塩酸塩、エピナスチン塩酸塩、ケトチフェンフマル酸塩などがあります。

抗ヒスタミン作用を主とする抗アレルギー薬です。アレルギー症状を引き起こすヒスタミンという体内物質をおさえる作用があります。そして、花粉アレルギーによる目のかゆみ、結膜充血、涙目、目やに などの諸症状を改善します。早めの使用が勧められますが、必ずしも予防的に事前使用する必要もありません。比較的速効性ですので、軽いうちでしたら 点眼後30分くらいで充血がひいてきます。ただし、効き方には個人差があり、有効率は60%程度です。

② 抗アレルギー薬(遊離抑制薬)
クロモグリク酸ナトリウム、トラニラスト、ペミロラストカリウム、アンレキサノクス、イブジラスト などがあります。
アレルギーに関係する化学伝達物質の遊離・放出を抑える作用があります。どちらかというと予防薬になりますので、花粉が飛びだす2週間くらい前から始めると効果的です。速効性はないので、ひどくなってからでは十分な効果は望めません。リスク・副作用はほとんどありません。

③ ステロイド薬
フルオロメトロン、ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム、デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム、デキサメタゾンメタスルホ安息香酸エステルナトリウムなどがあります。
ステロイドが含まれる目薬です。ステロイドは炎症の火消し役として重要ですが、安易な長期使用は好ましくありません。効果とリスク・副作用のバランスが考慮され、専門医により慎重に用いられます。処方にあたっては、作用の強弱や濃度の違いによりそれぞれを使い分けるようにします。
フルオロメトロン点眼液は比較的作用がおだやで花粉症にもよく処方されます。
ベタメタゾンリン酸エステルナトリウムとデキサメタゾンリン酸エステルナトリウムは強い
ほうです。また、フルオロメトロンとベタメタゾンリン酸エステルナトリウムには濃度が異なる2種類の製剤があります。

軽いアレルギー結膜炎にはフルオロメトロンの低濃度製剤(0.02%)でもよいのですが、春季カタルなどで症状が激しいときや、角膜の障害で視力障害のおそれのあるような場合には、高濃度製剤(0.1%)またはベタメタゾンリン酸エステルナトリウムなど、より強力な点眼薬が適当です。この場合、症状が落ち着いたなら、徐々に減量するか低濃度製剤に切り替えるなどします。急な中止による反発症状を避けるためです。長期使用時は眼圧の上昇にも注意が必要です。

非ステロイド抗炎症薬
ブロムフェナクナトリウムなどがあります。
充血やかゆみに有効な非ステロイド性の抗炎症薬です。眼圧の上昇をまねくこともなく、短期間でしたらリスク・副作用の心配はそれほどありません。ただ、長く使用していると角膜障害を起こすことがあります。喘息のある人は、発作の誘発に念のため注意が必要かもしれません。
あくまでも炎症や痛みに対して、それを緩和する作用を持っているに過ぎず、炎症や痛みの根本を治しているわけではありません。

⑤ 免疫抑制薬
シクロスポリン、タクロリムス水和物があります。
タクロリムス水和物は、アトピー性皮膚炎の治療薬タクロリムス水和物の目薬版です。
免疫抑制薬を有効成分とします。とくに症状が重く、目を擦ることにより外傷性白内障を起こす恐れがある、長期にステロイドを使った場合のリスク・副作用として眼圧が上昇するなどの特殊な場合に主として使用します。一般的な抗アレルギー薬が効果不十分な「春季カタル」に適用します。
リスク・副作用としては免疫を抑制するため、ヘルペスやブドウ球菌による感染症に注意が必要です。
「春季カタル」とは増殖性変化の強いアレルギー性結膜疾患で、まぶたの裏側が腫れる(眼瞼結膜巨大乳頭の増殖)などの重篤な症状を伴います。

抗炎症薬
アズレンスルホン酸ナトリウム水和物(アズレン)点眼液、リゾチーム塩酸塩点眼液などがあります。
目の炎症をしずめる点眼薬です。強い薬理作用はなく、軽い症状に適します。

意外に知らない点眼薬をさす順序

防腐剤のベンザルコニウム塩化物配合のものとパラベンやクロロブタノール配合のものを同時に使用すると、配合変化を起こす可能性があるため、5分以上の間隔をあけて点眼しましょう。 最初に点眼した薬のほうが結膜嚢からの排出が大きいので、主剤と考えられるものを後に点眼しましょう。
フルオロメトロンはよく振って懸濁させた後に使用するが、このように水に溶けにくく吸収されにくいものは後に点眼する。

涙のpHが7.0~7.4なので、これに近い中性のものから先に使用しましょう。そのほうが低刺激で流涙が少なく、眼内移行の効率が高まります。
フルオロメトロン(pH6.8~7.8、振り混ぜると懸濁性)、レボカバスチン塩酸塩(pH6.0~8.0、振り混ぜると懸濁性)、オロパタジン塩酸塩(pH7.0、水性)、ケトチフェンフマル酸塩(pH4.8~5.8、水性)なら、オロパタジン塩酸塩→ケトチフェンフマル酸塩→レボカバスチン塩酸塩→フルオロメトロンの順がよいでしょう。
点眼は、1回1滴で十分、基本的には1日4回です。(点眼液の1適量は30~50μLですが、結膜嚢の最大保持能力は約30μL、涙液量は約7μLであることがその理由です)

抗アレルギー薬の使い方・特にニ剤併用について

1)アレルギー因子の強い症例では、精神安定作用のある薬物と抗ヒスタミン作用薬と併用します。  例:ヒドロキシジン+エピナスチン塩酸塩

2)朝食後、昼食後には中枢抑制作用の弱い薬物を。 例:メキタジン,エピナスチン塩酸塩など

3)夕食後には中枢抑制作用のやや強い薬物を。   例:ヒドロキシジンを中心に

4)鼻づまりが強い場合には。
抗ロイコトリエン薬、抗プロスタグランジンD2、トロンボキサンA2薬などが効果があるとされています。
そこで両者(鼻水・鼻づまり・くしゃみ)のすべての症状がひどいという最重症の方に対しては抗ヒスタミン薬 と 抗ロイコトリエン薬の併用などが行われます。

5)リスク・副作用を考慮して
フェキソフェナジン塩酸塩・塩酸プソイドエフェドリン配合は、価格比較表でも書きましたように剤型が大きいだけではなく、通常は眠くなるリスク・副作用が多いアレルギー薬と違い、その鼻づまりに薬効のある交感神経刺激作用を持つプソイドエフェドリンのためどちらかといえば「頭が冴える」方向に働きます。
これが効果であると感じる人がいる一方で、寝つきの悪い方にはリスク・副作用となります。
そこで、当院では、朝フェキソフェナジン塩酸塩・塩酸プソイドエフェドリン配合・就寝前フェキソフェナジン塩酸塩という処方も致します。

日本皮膚科学会による「蕁麻疹治療ガイドライン」では、1種類の「抗ヒスタミン薬」で十分に効果が得られなかった場合、単純に薬の量を増やすよりも、他に1~2種類の「抗ヒスタミン薬」を追加するなど、薬の使い方を工夫するよう推奨されています。
しかし、現実問題として第二世代の抗ヒスタミン薬の併用や規定容量を超えての処方は保険適用外となり、出来ません。

6)H1-ブロッカー(アレルギー薬)とH2-ブロッカー(胃潰瘍薬)との併用
生体におけるヒスタミン受容体には以下の2種類があります。
H1受容体 : 毛細血管、気管支および腸管の平滑筋に存在 ⇒抗アレルギー薬
H2受容体 : 胃の分泌細胞、心房筋、子宮筋などに存在  ⇒抗胃潰瘍薬
ところが、近年、ヒト皮膚にH2の受容体が存在することが明らかにされており、H1ブロッカーにあまり反応しない難治性慢性蕁麻疹に対して、H2-ブロッカーを併用して有効であることが報告されており、これはH2ブロッカーがH1-ブロッカーの代謝分解を阻害し、H1ブロッカーの濃度が上昇するためと考えられています。

そこで、当院では難治性蕁麻疹や難治性のアレルギー疾患に、従来のアレルギー薬とともに、H2-ブロッカーであるファモチジンなどを併用して効果を見ています。

7)ステロイド内服薬
鼻アレルギーガイドラインでは、デポステロイド注射の治療は、「望ましくない治療」とされていますが、内服薬の場合は量と期間に注意すれば、デポステロイド注射ほどの危険はないので、どうしても他の治療でコントロールし得ない重症例では用いられます。
アレルギー性鼻炎に用いられるステロイド剤としては、抗ヒスタミン薬とステロイドの合剤であるセジフェンヒドラミン塩酸塩という薬剤がよく用いられます。セジフェンヒドラミン塩酸塩に含まれるのは、ベタメタゾンというステロイドで、プレドニゾロン換算で、錠剤として1錠中2.5mgが含まれます。
鼻アレルギーガイドラインでは、内服のステロイドを使う場合には、プレドニゾロン換算で1日当たり20~30mg、期間は1週間以内に留めるのが望ましいとされています。プレドニゾロンで1日当たり20~30mgという量は、前述のセジフェンヒドラミン塩酸塩に当てはめると、1日8~12錠となります。

ヒスタミン加人免疫グロブリン
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8)非特異的減感作療法
かつてはMSアンチゲンほか様々な非特異的療法剤がありましたが、現在認可を受けているものはヒスタミン加人免疫グロブリンのみとなりました。
ヒスタミン加人免疫グロブリンを使うことによって、抗アレルギー薬が減薬または不要となる場合もあります。
の投与量を減らすことができ、中には治癒に至らしめた症例も経験しました。

また、アトピー性皮膚炎の場合も同様に、非特異的変調療法の併用によって抗アレルギー薬を中心とする内服薬を加減することが出来、外用療法と相俟って症状を著しく好転させ、中には殆んど治癒状態にさせることも出来ました。

スギ花粉標準化エキス
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ハウスダストエキス注
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9)特異的減感作療法
軽症な花粉症であれば、症状が出現する季節だけの治療で十分です。しかし、通年性アレルギー性鼻炎のように季節に関係なく、1年中症状が見られる場合には、長期間治療が必要となり、せっせと病院通いを続ける割にはあまり効果がなく、リスク・副作用の強い薬を長々と服用するなど、何かと負担が多いように思います。

また、通年性アレルギー性鼻炎の方では、頭痛や集中力がなくなるような症状が見られるにもかかわらず、悪い状態になれてしまったため、周囲の人も本人も鼻炎が原因であることに気づかないでいることもよく見られます。

通年性アレルギー性鼻炎の自然治癒は、あまり期待できないため、減感作療法が、唯一最善の治療です。減感作療法は、続けて行えば十分効果が期待できる治療法です。最近は内服薬や、点鼻薬にも良い製品がたくさんでてきていますが、一般的薬物治療では、効果のみられない場合や、1年中症状が見られる場合などには、試みるべき治療であると思います。

アレルギー検査

一口にアレルギーといっても、様々な原因、機序が存在します。このうち、血液検査でわかるものは、IgEというタンパク質を介したアレルギーです。
血液検査では、このIgE量を調べることでアレルギーの有無や程度を数値化します。

IgEは個々のアレルゲンに対して無数に存在するため、例えばダニに対するIgEやスギに対するIgEを調べてそれらが高ければダニ、スギに対してアレルギーがあるといいうことです。このように、ある特異的なアレルゲンに対するIgEを個別に調べることを、特異的IgE検査(RAST)と呼んでいます。
それに対し、不特定のIgEの合計を調べる検査を非特異的IgE検査(RIST)と呼びます。
これらのIgEを調べる検査とは別に、じんま疹の原因物質であるヒスタミンの量を調べるヒスタミン遊離試験(HRT)もあります。

特異的IgE抗体検査
疑わしいアレルゲンがある場合、その物質にたいして、IgE抗体があるか調べることが可能です。
1項目につき3割負担の方で、330円で、1か月にできる検査数は13項目と決められています。

View 39
一度に喘息・鼻炎・アトピー系、花粉系、食餌系アレルゲンの主なもの39項目の検査ができます。費用は、13項目分の金額で可能で、3割負担の方で約4,800円と大変お得です。

39項目の内訳は
≪喘息・アトピー系アレルゲン11項目≫
コナヒョウダニ、ハウスダスト1、ネコのフケ、イヌのフケ、ゴキブリ、蛾、マラセチア、カンジダ、アルテルナリア、アスペルギルス、ラテックス
≪花粉・吸入系アレルゲン8項目≫
カモガヤ、ブタクサ混合物、オオアワガエリ、ヨモギ、スギ、ヒノキ、ハンノキ、シラカンバ
≪食餌系アレルゲン20項目≫
ソバ、小麦、ピーナッツ、大豆、米、ゴマ、リンゴ、キウイ、バナナ、マグロ、サバ、サケ、エビ、カニ、牛肉、豚肉、鶏肉、ミルク、卵白、オボムコイド
です。
※オボムコイド:卵アレルギーを起こす成分の1つで、熱や消化酵素の影響では、アレルゲン活性(アレルギーを起こす性質)を失わない耐熱性卵蛋白のことです。

アレルギー検査の見方

① 特異的IgE抗体
特異的IgE抗体の正常値は健常者(抗体のない場合)で0.34 UA/ml以下です。IgE抗体は0.35~100までの数値で示します(RAST値)。また0.35~100までの間を1~6までの6段階に分類します(RASTスコア)。数値が高いほど抗体が多いことを意味します。

② 非特異的IgEは、全ての特異的IgE抗体の総和です。アレルギー体質の人で高値を示し、年令とともに増加します。成人の正常値は170 IU/ml以下です。
非特異的IgEは、アレルギー体質の程度(強さ)を示します。

③ IgEの存在は感作された状態を示します。
IgEの存在は、アレルギー反応をおこしている状態を意味しているのではなく、特定の物質に対して、アレルギー反応の準備状態であるということを意味します。(これを感作された状態といいます。)
つまり抗体はあるものの、本当にその抗原と反応しているかどうかはわからないのです。例えば、卵白のIgEが陽性でも、食べられる場合もありますし、逆に陰性でも、アレルギー症状をおこす場合もあります。検出されたIgEについては、アレルギーをおこす可能性が十分あるものと理解してください。

パッチテスト

金属アレルギーに関する検査は、クローズドパッチテストで行います。しかし高価な試料価格と安価な検査価格のギャップのため採算がとれません(現状では一部請求できるものもありますが、金属では試料代を患者さんに請求することができず手技量しか請求できません。)
そのため当院では金属アレルギーの検査は実施していません。大学病院などでは学術的な意味も含めて実施しているところが多いですので、ご紹介を致します。

当院では、アレルギー疾患の根本原因治療という観点から、喘息・アトピー性皮膚炎・花粉症など様々な疾患の治療を行っております。
花粉症も単に、くしゃみ・鼻汁・鼻づまり、目のかゆみとしてとらえるのではなく、その原因を探ることに治療の主体を置き、アレルギー学の知識から、種々の薬剤の併用療法から、減感作療法など沢山の選択肢の中から皆様に最適な治療を選択してまいります。

IgG/IgE/IgA食物抗体検査  IgE検査に納得できていますか?

その慢性症状は毎日の食べ物が原因?
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上でも述べましたが、IgEは、アレルギー『状態ではなく』、アレルギー『準備』状態を意味します。(これを感作された状態といいます。)
つまり抗体はあるものの、本当にその抗原と反応しているかどうかはわからないのです。例えば、卵白のIgEが陽性でも、食べられる場合もありますし、逆に陰性でも、アレルギー症状をおこす場合もあります。
実際、臨床の現場でも、また患者さまの中にも、「確かにあの食べ物を食べると喉が痒くなったり、息苦しくなるのに、医者からは、『アレルギーの原因物質ではありませんよ』と言われ、腑に落ちない」とのお話を数多くいただきます。
このように、IgEは、アレルギーをおこす可能性を示すに過ぎません。
ただ、アレルギー検査でその可能性がある物質を知っておくことは、命に関わるアナフィラキシーショックを未然に回避するという意味は十分に行う価値があるものとご理解ください。

アレルギーに苦しむ院長の私自身も食物抗原だけでなく、花粉などの吸入抗原に対するIgE抗体価には、納得のいかないものがたくさんあります。

IgG食物抗体検査を行ったところ、通常のIgEの食物の検査では無反応であった物質に反応があり、それを除去したところより、長年の状が改善した方はいらっしゃいます。

広く知られている蕎麦のアレルギーなどは、すぐに激しい反応(即時型=アナフィラキシーショック)があらわれるので自覚しやすいのですが、いっぽうで、反応が遅くてゆるやかなために気がつきにくいアレルギーがある可能性は現実として否定しきれないと思われます。それが「遅延型食物アレルギー」と呼ばれる発現まで数時間~数日を要するアレルギーです。IgG抗体は食物アレルゲンと結合し、複合体を作り、血流に運ばれ、体内に蓄積され、炎症を起こします。
このアレルギーが慢性的な身体の不調、憂鬱な気分などの原因にもなる可能性があるのではないか?と言われています。

一方で、下記と即時型食物アレルギーが陰性であることを誤解なさらないでください。
よく、タケノコやサバを食べた途端、耳が熱くなり、舌や喉が燃えるような感じになるのに、検査結果にはIgE反応がでないというお話を伺います。
これは、下記のような現象で、いわゆる即時型食物アレルギーの反応ではありません。すなわち、多くの食物にはヒスタミンやセロトニン、その他の化学物質が含まれており、IgE反応以外でも放出されます。
例えば、マグロにはヒスタミンが含まれ、柑橘類にはオクトパミンが含まれています。これらの物質はアミン類に分類され、アレルギー性反応と似たような炎症症状を呈する場合があります。頭痛、下痢、じんましんなどは、こうした物質から発生する症状として知られています。
そこで、下記を十分ご理解頂いた上で、IgG食物抗体検査およびIgG食物過敏症検査をご利用ください。
また、下記にもご注意ください。
日本アレルギー学会ホームページ:http://www.jsaweb.jp/modules/important/index.php?page=article&storyid=51
『〔学会見解〕血中食物抗原特異的IgG抗体検査に関する注意喚起』として、
日本アレルギー学会や日本小児アレルギー学会は、食物アレルギーにおけるIgG抗体の診断的有用性を公式に否定しています。
この中で①食物抗原特異的IgG抗体は食物アレルギーのない健常な人にも存在する抗体である。⇒これは正しいと考えます。
②食物アレルギー確定診断としての負荷試験の結果と一致しない。⇒成人の場合は負荷福試験自体がアナフィラキシーショックの恐れがあり、行われたデータを見たことはありません。
③血清中のIgG抗体のレベルは単に食物の摂取量に比例しているだけである。⇒私はそのデータを見ておりませんし、探すことができませんでした。
④IgG抗体検査結果を根拠として原因食品を診断し、陽性の場合に食物除去を指導すると、原因ではない食品まで除去となり、多品目に及ぶ場合は健康被害を招くおそれもある。⇒ここが一番大事な争点だと思います。確かに症状のない方で多くの食物に高い反応を示す方も多く、IgGが高値だからと言って、該当食物を除去した食事を長期間続けることには私も反対です。
検査後は食物の反応レベルに応じて、食物を一定期間、減量したり、摂取頻度を少なくすることで、それまであった体調不良の変化を観察します。
この検査により過剰摂取や、体が過敏に反応している食物を知り、食生活を見直すきっかけになれば良いと考えています。
私もくれぐれもIgE食物アレルギー検査を否定するものではありません。
IgG検査を受ける前に、必ずIgE検査を受けてください。
当院では、IgE検査を受けていない方には、IgG検査を実施いたしません。
過去のIgE検査など採血データ等あれば持参ください。

IgG検査は、約1週間で判明しますが、自由診療のため健康保険は使えません
アレルゲン52項目で19,900円、120項目で27,000円、フルパネル219項目で40,000円です。
過去のIgE検査など採血データ等あれば持参ください。

108スタンダード・フードパネル(日本)(IgG/IgA)

■乳製品
カゼイン,チェダーチーズ,カッテージチーズ,牛乳,ホエイ ( 乳清 ),ヨーグルト

■フルーツ
リンゴ,アボカド,バナナ,網メロン,チェリー,ココナッツ,赤ぶどう(ミックス),グレープフルーツ,グアバ,キウイ,レモン,マンゴー,オレンジ,パパイヤ,モモ,パイナップル,いちご,スイカ

■ナッツ・穀類
アーモンド,オオムギ,キドニー豆,あずき,大豆,さやいんげん,そば粉,カシューナッツ,トウモロコシ,グリアジン,小麦グルテン,緑豆,オートムギ,グリーンピース,ピーナッツ,ピスタチオ,玄米,白米,ライムギ,ゴマ,スペルト小麦,ヒマワリ,クルミ,全粒小麦

■野菜
筍,もやし,ビート,苦瓜,ブロッコリー,キャベツ,にんじん,カリフラワー,セロリ,きゅうり,ナス,ニンニク,昆布,リーキ,レタス,マッシュルーム,オリーブ(黒),タマネギ,ピーマン,サツマイモ,ジャガイモ,かぼちゃ,キノア,ラディッシュ,ほうれん草,ズッキーニ,トマト

■肉類
牛,鶏,卵白,卵黄,ガチョウ,ラム,豚

■シーフード
あわび,ハマグリ,タラ,カニ,イカ,オヒョウ,カキ,バラフエダイ,サケ,ホタテガイ,シーバス,シーパーチ,エビ,マグロ

■スパイス
カレーパウダー,しょうが,マスタード,黒胡椒,チリ(カイエン),バニラ

■その他
カカオ,コーヒー,蜂蜜,さとうきび,製パン用イースト,醸造用イースト

99スタンダード・フードパネル(日本)(IgE)

■乳製品
カゼイン,チェダーチーズ,カッテージチーズ,牛乳,ホエイ(乳清),ヨーグルト

■フルーツ
リンゴ,アボカド,網メロン,チェリー,ココナッツ,赤ぶどう(ミックス),グレープフルーツ,グアバ,キウイ,レモン,マンゴー,オレンジ,パパイヤ,パイナップル,スイカ

■ナッツ・穀類
アーモンド,オオムギ,キドニー豆,あずき,大豆,さやいんげん,そば粉,カシューナッツ,トウモロコシ,グリアジン,小麦グルテン,緑豆,オートムギ,グリーンピース,ピーナッツ,ピスタチオ,玄米,白米,ライムギ,ゴマ,スペルト小麦,ヒマワリ,クルミ,全粒小麦

■野菜
もやし,ビート,苦瓜,ブロッコリー,キャベツ,にんじん,カリフラワー,セロリ,きゅうり,ナス,ニンニク,リーキ,レタス,マッシュルーム,タマネギ,ピーマン,サツマイモ,ジャガイモ,かぼちゃ,キノア,ラディッシュ,ほうれん草,ズッキーニ,トマト

■肉類
牛,鶏,卵白,卵黄,ガチョウ,ラム,豚

■シーフード
あわび,ハマグリ,タラ,カニ,イカ,オヒョウ,カキ,バラフエダイ,サケ,ホタテガイ,シーバス,シーパーチ,エビ,マグロ

■スパイス
カレーパウダー,しょうが,マスタード,黒胡椒,チリ(カイエン)

■その他
コーヒー,蜂蜜,製パン用イースト,醸造用イースト

少量の検体(3-4滴の血液)で検査可能。
採血した血液は、アメリカの送り、検査をしますので、結果判明には約1週間ほどかかります。

IgG検査項目表
IgG検査項目表
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フルパネル(219項目):検査可能なすべての食品全219項目のパネル
セミパネル(120項目):日本人になじみのある食品を中心とした120項目のパネル
ミニパネルA(46項目):シーフード、肉を集めた46項目のパネル(※)
ミニパネルB(40項目)乳製品、卵、ナッツ、種子、豆を集めた40項目のパネル
ミニパネルC(52項目):穀物、フルーツを集めた52項目のパネル
ミニパネルD(39項目):野菜を集めた39項目のパネル
ミニパネルE(42項目):ハーブ、スパイス、その他を集めた42項目のパネル

≪リスク・副作用≫

本ページに挙げた抗アレルギー薬のリスク・副作用は眠気、肝機能障害および薬疹です。