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でもそれ、本当に喘息ですか?
 感染症のチェックや喘息類似疾患の鑑別

長引く咳で割れてはいけないのは、感染症です。
その中でも、特にこの2つを鑑別することが大切です。

① 百日咳(ひゃくにちぜき)

でもそれ、本当に喘息ですか?

百日咳(pertussis, whooping cough )は、特有のけいれん性の咳発作(痙咳発作)を特徴とする急性気道感染症です。百日咳菌の有する種々の生物活性物質の一部(菌体毒素)が、病原因子として発症に関与するため、菌が死滅しても咳だけが長期間にわたり続くのは特徴です。

臨床症状

臨床経過は3期に分けられます。
1)カタル期(約2週間持続):通常7~10日間程度の潜伏期を経て、普通のかぜ症状で始まり、次第に咳の回数が増えて程度も激しくなる。
2)痙咳期(約2~3週間持続):次第に特徴ある発作性けいれん性の咳(痙咳)となります。これは短い咳が連続的に起こり(スタッカート)、続いて、息を吸う時に笛の音のようなヒューという音が出ます(笛声:whoop)。この様な咳嗽発作がくり返すことをレプリーゼと呼び、しばしば嘔吐を伴います。
3)回復期(2, 3 週~3か月):激しい発作は次第に減衰し、2~3週間で認められなくなるが、その後も時折忘れた頃に発作性の咳が出る。全経過約2~3カ月で回復する。
成人の百日咳では咳が長期にわたって持続するが、典型的な発作性の咳嗽を示すことはなく、やがて回復に向かう。軽症で診断が見のがされやすく注意が必要です。2006年以降、成人における百日咳が急増しています。

② マイコプラズマ肺炎

病原体は肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae )で、これは自己増殖可能な最小の微生物で、生物学的には細菌に分類されます。他の細菌と異なり細胞壁を持たないので、多形態性を示し、ペニシリン、セフェムなどの細胞壁合成阻害の抗菌薬は効きません。気道粘液への病原体の排出は初発症状発現前2~8日でみられるとされ、臨床症状発現時にピークとなり、高いレベルが約1週間続いたあと、4~6週間以上排出が続きます。

臨床症状

潜伏期は通常2~3週間で、初発症状は発熱、全身倦怠、頭痛などである。咳は初発症状出現後3~5日から始まることが多く、当初は乾性の咳であるが、経過に従い咳は徐々に強くなり、解熱後も長く続く(3~4週間。嗄声、耳痛、咽頭痛、消化器症状、そして胸痛は約25%で見られ、また、皮疹は報告により差があるが6~17%である。喘息様気管支炎を呈することは比較的多く、急性期には40%で喘鳴が認められます。

③ クラミジア肺炎

肺炎クラミジアは、細胞内でのみ増殖する偏性細胞内寄生微生物であるクラミジアが引き起こす細菌性(広義の)肺炎のことです。
肺炎クラミジア感染症の最大の特徴はしつこく長い咳です。乾いた咳が数週間~1か月以上続くことがよくあります。その他には、のどの痛み、鼻水、副鼻腔炎、発熱などがありますが、発熱については高熱になることはあまりなく、38度くらいまでの熱でおさまるのが一般的です。この病気は、症状が軽い場合は肺炎であることの自覚がないまま通院・投薬なしに治癒してしまうことがありますが、もともと肺や気管に疾患がある人や体力が低下している人は急性気管支炎、肺炎、中耳炎、喘息の悪化などを引き起こす場合があります。肺炎クラミジア感染症を発症している間に、肺炎クラミジアとは別の細菌による重複感染を起こす事もあるので注意が必要です 。

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